「1つの会社で定年まで働く」時代は終わった!? サラリーマンの副業起業と脱サラ起業

社会人の働き方には、サラリーマン・起業・自営業などいくつものスタイルがあります。統計局の出しているデータによると、日本のサラリーマン比率は89%だそうです(2017年度)。
職業を1つに限定しない、いわゆる「副業」も増えています。2018年以降は政府から『働き方改革』により副業が推進されており、副業サラリーマンは今後も増加し続けるのではないでしょうか。

なぜ働き方が変化しているのか?

一部要因として、社会情勢や生活の変化が影響していると考えられます。

人件費削減が、景気や経済状況を悪化させている

給料が下がれば消費が下がり、消費が下がれば景気が悪化します。
この悪循環を乗り切るためには、従来の働き方では通用しないかもしれません。

大企業や資格が安定につながらない

このご時世、大企業や資格はブランディングに過ぎません。
一生安定を保証するものではなくなってきています。

真の安泰や安定が変化している

大企業や安定企業といわれても倒産する時代です。
潰れない会社が存在しないので「複数の収入源をもつことが安定につながる」という考え方も広がっています。

寿命100年時代に突入している

これからは100年生きるのが当たり前になる時代ですが、現在の年金は100年生きることが想定されていません。
従来の働き方では、途中でお金が尽きてしまいます。

もちろん全てのケースに当てはまるわけではありません。元から起業を視野に入れていたサラリーマンや個人的事情もあるのでしょうが、社会全体で見るとこれらの要因は無視できません。

サラリーマンでいながら起業は可能か?メリットとデメリット

多くのサラリーマンには、定期的な給与が保証されています。今の職場がいずれどうなるかは分かりませんが、何の前触れもなくいきなり倒産することは稀ですよね。
「給与の保証」というサラリーマン最大のメリットを維持しながら、夢や備えのために「起業」することは可能なのでしょうか。
結論から言うと、サラリーマンのままで「起業」することは可能です。
お小遣いを増やす感覚で週末起業する層も増えており、ノウハウもあふれています。

【メリット】収入面でメリットが多い

これまで通りの給与を得ながら、新たな事業での収入を得ることができます。
仮に起業して上手くいかなかったとしても、会社員としての給与があるので収入が途絶えることはありません。

【デメリット】プライベートが無くなるのがデメリット

サラリーマンとしての勤務がありますから、会社が終わった後や休日に事業活動をすることになるでしょう。必然的に、趣味や家族との時間は少なくなります。
忙しさから体調不良になってしまう可能性がありますが、本業はあくまでもサラリーマンです。サラリーマンであるうちは、副業はあくまでも副業と認識しなくてはなりません。

【最大の注意点】副業OKか?

会社員として働いている以上、会社として副業を禁じられていたら、副業をすることはできません。
勤務先の会社が副業を許可しているかどうか、まず最初に確認してください。

脱サラで起業することのメリット


会社を辞めてから本格的に起業する「脱サラ」も、実現しやすい社会環境になってきました。
会社を辞めれば勤務先のしがらみがありませんから、全ては自己責任。良いことも悪いことも自分に返ってきます。
お小遣い感覚の週末起業とは異なり「給与の保証」はないけれど、夢は大きいと言えるかもしれません。

自己実現ができる

サラリーマンの勤務内容は、勤務先の采配によって左右されます。興味もなくスキルも活かせないポジションに就くことも避けられません。
起業をすれば、事業の分野は自分で決定することができます。自分がやりたかった仕事をはじめられ、達成感も得られます。会社を続けるも辞めるも自分次第、どんなスキルを向上させてどんな事業を進めるかも自分次第です。
たとえ小さな事業でも、起業により生み出された事業は「生きた証」として世の中に残ります。壮大な話に思えますが、これも起業の大きなメリットの1つではないでしょうか。

定年がない

サラリーマンの定年は、多くの企業で60歳と定められています。今後70歳まで引き上げられる可能性はありますが、高齢になると仕事内容や給与に過度の期待はできないでしょう。
起業をすれば定年はありません。何歳になっても自分の裁量で、状況や環境に合わせた働き方ができます。

高収入を得られる可能性がある

サラリーマンの給与は勤務先が定めた額になります。多少のインセンティブが付いても、自分の業績に見合っていると思えるかは人それぞれでしょう。
起業をすれば、自分の出した成果は収入に直結します。サラリーマンでは考えられないような高収入を得られる可能性も秘めています。

税金のコントロールができる

サラリーマンの給与からは、所得税や住民税などが最初から引かれています。
起業をすれば、工夫次第で節税が可能です。個人事業主や法人の場合は、先にいろいろとやりくりをし、そこで残ったお金に対して課税されるからです。

自由な働き方ができる

サラリーマンの勤務時間は勤務先が定めます。
起業をすれば、自分が働きやすい就労環境を作り出すことができます。趣味や家族との時間を増やすことも可能、ワークライフバランスも自分の思い通りです。スタッフが増えれば、自分は経営や専門分野に集中することができます。

起業家にしかできない経験ができる

サラリーマンに与えられる権限には限りがあります。外部と関わる場面でも「会社のいちスタッフ」として対応します。
起業をすれば、あなたはその日から経営者です。事業を起こした経営者としての責任も生じますが、サラリーマンではできない経験を数多く積むことができます。
経営者として、外部の経営者層と対等に接する機会も多くなるでしょう。

脱サラ起業の失敗例

夢も希望もある脱サラ起業ですが、失敗例も数多く目にします。中には破産してしまったり、絶望から自ら命を絶つケースもあるのが現実です。
経済産業省の「中小企業白書」によると、新たに設立された会社や個人事業が1年後に残っている生存率は約72%、5年での生存率は約40%だそうです。これが10年後になると26%まで減少します。単純計算で10人起業してもうち7人は10年以内に廃業することになります。
https://www.chusho.meti.go.jp/pamflet/hakusyo/h18/H18_hakusyo/h18/html/i1220000.html
失敗にはいくつかのパターンがあるようです。

会社員時代の人脈に頼りがち

サラリーマン時代のつてで発注してもらおうという考えは危険です。起業したての最初はご祝儀発注があるかもしれませんが、懇意にしていた上司や同僚がいつまでも関係部署にいるとも限りません。
そもそも元勤務先から見ると、あなたは起業して去っていた元社員です。どこまで本気で応援してくれるでしょうか。
人脈はゼロから作り直すいう考え方をしたほうが、失敗確率は低いでしょう。

準備不足

いずれ脱サラするつもりでも、それまでに情報収集や準備の期間が必要です。他業界に参入したいのならなおさら、市場調査や人脈づくりは欠かせないでしょう。サラリーマンをしながらでもできる準備はたくさんあります。
個人相手の業種なら、ブログやSNSでフォロワーを増やしておくのも有効ですよね。
このような準備を怠りながら「いつかは起業したい」と言い続けているだけの人は、実際に起業する確率が低いようです。

資金計画が楽観的

事業が存続できなくなったらおしまいです。ほとんどの場合、手持ちの資金が枯渇が主要因になっています。
個人が起業する際に必要なのは「事業に必要な資金」と「生活に必要な資金」の両方です。起業後すぐに事業が軌道に乗れば良いのですが、なかなかそうはいかないでしょう。
世の中には「起業成功例」のニュースがあふれていますが、それ以上に「失敗例」もあるはずです。ひとつの事例に踊らされず、自分の性格や条件に合った事業計画を立てましょう。

孤独や不安を楽しめない

起業家は自由な働き方ができる半面、常に孤独や不安を抱えることになります。
売上に伸び悩めば固定給が貰えたサラリーマン時代を思い出し、日払いのアルバイトを始める方も少なくないでしょう。孤独や不安よりも安定が心地よいのならば、サラリーマンの方が合っているのかもしれません。
逆に、そうした孤独感のストレスを楽しめる人は、起業家に向いています。苦しい時期を乗り越えて、いずれ事業を軌道に乗せられるタイプです。

起業準備に際しての心構え

失敗パターンの1つが「準備不足」であるのは前述の通りです。来るべき起業の日に備え、会社を辞める前から準備を万全にしておきましょう。
事業のビジョンを考え、資金計画を立て、情報収集と土台作りを始める。やることは無数にあります。ここではそれに立ち向かうための大切な心構えを3つ挙げてみました。

「何がしたいのか」を自分に問う

起業のその先まで見据えて「何がしたいのか」を自分に問いましょう。大企業を作りたいのか、得意分野を形にしたいのか、社会貢献したいのか、大金をゲットしたいのか。それは人それぞれです。
事業の軸とビジョンを頭の中で整理しておくと、事業を始めてから迷いが生じません。

時間を意識して備える

サラリーマンを続けながら起業準備をすると、スケジュールの大半が埋まってきます。
会社員ですから本業は疎かにできませんし、たまには息抜きも必要でしょう。その中で効率的に情報収集や土台作りを進めます。その準備には時間がかかることも覚悟しておきましょう。
そして起業を「いつ」と定めること。「いつか」と言い続けていると、そのうち人生の残り時間は無くなります。

家族の理解を得る

「家族からの理解が得らなければ起業に踏み切ってはいけない」と言われるほど重要な項目です。起業後には時間の流れも変わりますし、時には売上が伸びず収入に影響することもあるでしょう。家族の協力が必要な場面も出てくるかもしれません。
なぜ起業したいのか、家族にどのような協力を求めるか。きちんと整理して家族に伝え、理解を得てから準備に踏み切りましょう。

まとめ


世の中が目まぐるしく変化し「1つの会社で定年まで働き、年金で余生を過ごす」スタイルは必ずしも現実的ではなくなってきました。政府が副業を推進するなど、10年前に誰が予測できたでしょうか。
サラリーマンの地位と保証を維持しながらの副業起業、会社を辞めてして夢を追いかける脱サラ起業。どちらも自分の可能性を広げることには変わりはありませんし、この先状況が変われば身の振り方も変わるかもしれません。
良くも悪くも成果がダイレクトに返ってくる「起業」。一生に一度は体験してみてはいかがでしょうか。
家族の理解を得ることと、サラリーマンの方は職場のルールを守ることは忘れないでくださいね。